「今勤めている職場にどうしても不満があり、他の自治体への転職を考えているが、後悔しないか不安」
「市役所勤務だけど、住民対応に疲弊。同じ公務員なら県庁など違う環境で働きたい」
公務員としてしばらく働くと、どうしても自分に合わない点が見つかり、公務員から公務員への転職を考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、公務員から公務員への転職でも、「思っていた環境と違った」「前の職場の方がよかった」と後悔するケースは意外と多いもの。
本記事では、こうした公務員から公務員の転職で後悔しやすい7つのことを中心に、転職することでのメリット、そして後悔しないための具体的な対策を紹介します。
この記事でわかること:
- 公務員から公務員へ転職して後悔しやすい7つのこと
- 公務員から公務員へ転職するメリット
- 公務員から公務員への転職で後悔しないための7つの対策
後悔しやすいポイントをあらかじめ把握しておくことで、自分に合った職場を選び、納得のいくキャリアを築けるようになります。
現在の我慢している生活から、新しいスタートを切ることができます。
筆者の僕自身、都道府県庁で約15年勤務し、アラフォーで民間への転職も経験した元公務員です。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
公務員から公務員への転職で後悔しやすい7つのポイント
まずは、公務員から公務員への転職で後悔しやすい7つのポイントを解説していきます。
1.仕事内容は思ったほど変わらない
市役所から市役所、都道府県庁から他県庁といった「横の異動」では、業務内容が大きく変わらないことが多いです。
例えば事務職の場合、条例・法令に基づく手続きや予算管理など、根本的な仕組みはどこも共通しています。
そのため、「新しいチャレンジがしたい」「仕事の幅を広げたい」と考えている人にとっては、期待ほどの刺激や成長感を得られない可能性があります。
部署によっては前職の経験がそのまま活かせる一方、業務フローが似ているために“新鮮味のなさ”を感じる人も多いです。
2.収入が下がることもある
前歴加算でこれまでの経験年数をある程度考慮してもらえるとはいえ、必ずしも同じ給与水準が維持されるとは限りません。
自治体ごとに地域手当率や諸手当(扶養・住居・通勤手当など)が異なり、手当の差で年収が数十万円単位で下がるケースもあります。
さらに、役職や管理職手当が外れた場合、月収・賞与ともに減少することがあります。
「同じ公務員だから大差ないだろう」と思っていると、手取りで想定より減ってしまうことがあるので注意が必要です。
3.退職金(退職手当)の通算には条件がある
公務員同士の転職でも、退職手当は自動的に通算されるわけではありません。
多くの自治体では「1日も空けずに引き続き就職」などの条件を満たす必要があり、タイミングがズレると通算されないケースもあります。
このあたりの制度は自治体ごとに異なるため、人事担当者や退職手当組合への確認が不可欠です。
4.人間関係を一から構築しなければならない
新卒や若手時代から勤めている職場であれば、同期との助け合いや先輩職員からの温かい目の下、人間関係が構築しやすいです。
しかし、30代半ば以降の転職では、周囲から「中堅職員」として期待されることが多く、若手のように手厚くサポートしてもらえるとは限りません。
そのため、自ら積極的に話しかけたり、コミュニケーションを図ろうとする姿勢が重要。
ただし、職部での人間関係はドライに徹すると決め込んでしまえば、不要なしがらみや煩わしい人付き合いもなく、それはそれでメリットにもなります。
5.昇任・昇格スピードがリセットされる
たとえ前職で主任や係長などの役職に就いていても、新しい自治体では採用された役職として再スタートすることになります。
組織で級・号給の体系や昇格の最短期間が異なるため、「経験者採用で入ったのだから、昇格も早いだろう」と思っていたのに、昇格までに数年待たされることも。
キャリアの連続性を保ちたい場合は、事前に募集要項で昇格要件や評価制度を確認しておきましょう。
6.配属リスクは変わらず、希望部署に行けるとは限らない
公務員の人事異動は組織全体の最適性を優先して行われるため、本人の希望どおりの部署に配属されるとは限らない…。
これは、転職しても変わりません。
採用後に思っていた業務内容と異なる配属をされるケースを見込む必要があるでしょう。
また、自治体によっては2〜3年ごとの短いスパンでのローテーションがあり、専門性を深める前に異動になることも往々にしてあります。
7.副業・兼業の自由度が低い
民間企業への転職に比べて、公務員同士の転職では副業・兼業の制約は引き続き残ります。
公務員は営利企業への従事が原則禁止されており、副業を行うには所属長の許可が必要です。
また、同じ「許可制」でも自治体によって運用基準が異なり、ある市では認められる活動が、別の県ではNGということもあります。
収入の多様化を目指したい人は、転職前に副業規程や許可実績を確認しておくことをおすすめします。
公務員から公務員への転職の7つメリット
続いて、公務員から公務員への転職のメリットを紹介します。
後悔しやすいポイントが逆にメリットになるというものもあります。
1.これまでの業務の知識や経験を活かしやすい
公務員から公務員への転職では、これまでの経験や知識をそのまま活かせる場面が多くあります。
たとえば、総務・財務・教育・都市計画など同分野であれば、扱う法律や予算編成の流れもほぼ共通しています。
自治体によって条例や内規は異なりますが、構造や考え方が似ているため、理解が早く即戦力として活躍しやすいのが特徴です。
「強くてニューゲーム」を体現できる転職と言えるでしょう。
2.仕事上の勘が働きやすく、失敗を防ぎやすい
上記1と似ていますが、仕事での注意すべきポイントはどこでも共通。
公務員としての経験があると、行政特有の慎重な業務姿勢や住民対応のコツが自然と身についています。
たとえば、文書作成では確定していない事項を断定せず、「〜など」「検討中」といった含みを持たせるなど、リスクを回避する判断が身に付いているものです。
住民・議員・業者など関係者との調整では、説明の順序や言葉選びの重要性を理解しているため、大きなトラブルを避けやすい傾向があります。
こうした「現場勘」は新しい職場でも即活用でき、精神的にも安定して業務に臨めます。
3.人間関係・職場環境をリセットできる
公務員の世界では異動があっても狭く、人間関係や組織風土が固定化しやすい傾向があります。
しかし、公務員から別の自治体や機関へ転職することで、環境や人間関係を一新できます。
特に小規模自治体では、異動しても同じメンバーと顔を合わせ続けることも少なくありません。
転職により気分をリセットし、新しい組織文化や人とのつながりの中で、再びモチベーションを高めて働けるのは大きな魅力です。
4.勤務地を変えることでライフスタイルを最適化できる
Uターン・Iターン転職や、結婚・育児・介護といったライフイベントに合わせて勤務地を選べるのもメリットです。
たとえば、地元の自治体へ戻って家族と過ごす時間を増やす、あるいは都市部の自治体に移ってキャリアアップを図るなど、自分の人生設計に合わせた選択が可能です。
また、通勤時間を短縮できたり、実家の近くに転居したりすることで、精神的にも生活的にもゆとりを持てるようになります。
5.ワークライフバランスを保ちやすい
国家公務員・地方公務員ともに、育児休業・介護休暇・短時間勤務などの両立支援制度が整備されています。
そのため、転職先でも同様の制度を利用でき、育児や介護と仕事の両立がしやすいのが特徴です。
特に男性職員の育休取得率も上昇傾向にあり、家庭を大切にしながら安定した働き方を続けたい人にとって大きな魅力といえます。
民間への転職では勤務制度が変わるケースが多いため、公務員同士の転職は安心感が違います。
6.長期的な雇用の安定と定年延長の恩恵を維持できる
公務員制度全体で定年が段階的に65歳へ引き上げられており、再任用や短時間勤務制度なども整備されています。
そのため、民間企業よりも長期的に安定して働ける環境が維持されており、転職後もその恩恵を受けられます。
特に、健康や家庭環境を重視して「長く安心して働ける職場」を求める人にとって、同業種内での転職は非常に合理的な選択といえるでしょう。
7.スキルアップやキャリアの幅を広げられる
異なる自治体や国・公的法人へ転職することで、扱う業務分野やスケールが変わり、新たなスキルを習得できる機会が増えます。
たとえば、県庁から市役所へ移ると、より住民に近い実務経験を積むことができ、逆に市役所から都道府県庁へ行けば政策立案や調整業務の経験が得られます。
また、省庁や外郭団体への転職では、国レベルの制度設計や補助金事務に関われることもあり、キャリアの視野を大きく広げることができます。
このように、公務員同士の転職は「安定+成長」を両立できるチャンスでもあります。
公務員から公務員への転職で後悔しないための7つの対策
後悔しやすいポイントを踏まえて、公務員から公務員への転職で後悔しないための対策を解説していきます。
1.現状の不満を言語化し、「転職でしか解決しないか」を仕分ける
今現在、公務員として仕事することが何となく嫌で転職したいと考えている方は、現状への不満・転職したい理由は何なのかを明らかにすることが大切です。
もしかしたら、それは転職でなくても解決できることかもしれません。
不満や課題を紙に書き出してみてください。
そして、それらが配置転換・業務調整・働き方の交渉で改善できるものか、それとも転職でしか解決しないのかを仕分けていきます。
上司や人事へ相談する場合、まずは3か月の改善猶予期間を設定する。
それで改善しなければ転職検討へ進むという意思決定ラインを引くとブレません。
転職によってしか変えられないことであれば、転職を考えていきましょう。
2.転職の軸を絞り、優先順位をつける
希望条件をすべて満たす転職先は存在しません。
現状の不満がいくつもある場合、その中で特に譲れないことは何なのかさらに深掘りしてください。
条件が絞りきれないと、この先、転職先の選定でぶれてしまい、多数の選択肢から決められなくなってしまうからです。
僕が転職したときの転職の軸は、
- 育児に関われるよう、残業があまりなくワークライフバランスを確保できること
- 収入が下がらないこと
が主たるものでした。
さらに言えば、このほか、引越さなくてよい勤務地、これまでの経験スキルでもやっていける仕事内容が条件でした。
なお、転職の軸については関連記事公務員としての働き方に限界を感じたときに考える「転職の軸」【30代後半〜40代】もご覧ください。

3.民間も候補に入れることで、最適解の幅を広げる
公務員としての仕事に誇りややりがいを感じているから、転職後も公務員として働きたい。
そうであれば、公務員への転職で問題ないでしょう。
ですが、転職の軸が民間企業への転職によって解決するのであれば、選択肢の候補に入れてみることを強くオススメします。
最初から民間への転職は無理だと決めつけない。
僕も最初は民間への転職なんて無理だと思っていました。
しかし、転職活動し、転職してみた今、そんなことはなく、思ったよりも何とかなるという感想を持っています。
まずは、転職サイトへの登録や転職エージェントへの相談を通じて、民間企業の情報収集もしてみましょう。
リスクのないところであれば行動してみて損はありません。
転職サイトや転職エージェントについては、関連記事公務員からの転職にオススメの転職サイト比較【2025年最新版】元公務員が選び方や活用術を解説、公務員からの転職にオススメの転職エージェント7選【30代・40代向け成功ガイド】をご覧ください。


4.年収は「手取りベース」で比較する
同じ等級でも自治体によって地域手当や住居手当が異なり、手取りが数十万円変わることもあります。
給与表や期末・勤勉手当の月数を確認し、年収ではなく手取り額で比較しましょう。
5.異動サイクルと専門性の扱いを確認する
自治体によって異動の頻度や専門部署への配属方針は大きく異なります。
「また数年で全く違う部署に異動」となると、専門性を深めたい人にはストレスです。
逆に幅広く経験したい人にはチャンスにもなります。
面接時に「異動サイクル」「専門配属の実績」を具体的に確認しておきましょう。
6.評価・昇任の仕組みを理解する
同じ公務員でも、昇任のスピードや評価基準は自治体によって大きく違います。
試験中心なのか、日々の実績評価で昇格するのかによってキャリアの見通しが変わります。
面接では「昇任試験の合格率」や「評価結果の反映方法」を確認しておきましょう。
将来の見通しを立てておくことが、長期的な後悔を防ぐ鍵になります。
7.退職手当の通算条件を把握する
転職先と退職元の間で「勤続年数が通算できるか」は、退職金に直結します。
原則として、退職日の翌日に新しい職場に就職していれば通算可能ですが、1日でも空くとリセット扱いになるケースがあります。
採用日と退職日の調整は、人事担当と早めに確認しておきましょう。
まとめ|「公務員から公務員の転職」で後悔しないために
公務員から公務員への転職は、安定を保ちながら環境を変えられる現実的な選択肢です。
一方で、仕事内容の類似・昇任スピードのリセット・手当差による手取り減など、見落としがちな落とし穴もあります。
本記事で示した後悔しやすい7つのポイントと7つの対策をセットで押さえれば、「思っていたのと違った」を大幅に減らせます。
- 「同じ公務員でも条件は自治体で大きく違う」――手取り・昇任要件・異動サイクルは必ず事前確認。
- 「不満の正体を言語化」し、転職でしか解決しない課題かを仕分ける。
- 転職の軸(例:ワークライフバランス/年収維持/勤務地)に優先順位をつけ、迷いを減らす。
- 退職手当の通算条件(採用日・退職日)と副業規程は、後で効いてくる“重要事項”。
- 視野を広げるために、民間も候補へ――最適解の幅が広がる。
最後に――転職は「逃げ」ではなくキャリアを再設計する戦略です。
“転職の軸”に沿って情報を取りに行けば、後悔しない公務員から公務員の転職は十分に実現できます。
迷ったら、本記事のチェックポイントに戻って、ひとつずつ前へ進みましょう。
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