「この先、何十年もこの組織にいるなんて考えられない」
「公務員を辞めて転職すれば、今感じているモヤモヤは解消するのではないか」
「今のご時世、公務員よりも民間に転職した方がいいと思い始めている」
このように考えている公務員の方も多いのではないでしょうか。
かつては私もそうでした。
しかし、転職は決して魔法のような解決策ではありません。
実際に転職すると、『ここは公務員時代の方がよかった』『想定していた働き方と違った』と感じることもあります。
本記事では、公務員から転職して後悔した5つのことを実体験に基づいてお伝えします。
本記事でわかること:
- 公務員を辞めて後悔・想定外だった5つのこと
- それでも公務員から転職してよかったと思う理由
- 辞める前に確認する3つのこと
30代・40代のミドル世代は、辞めたい気持ちだけでなく、自分の『転職の軸』を整理して判断することが大切です。
私は新卒から都道府県庁で約15年公務員として働き、民間企業へ転職しました。
そんな私の経験が、30代〜40代のミドル世代で転職を考える方が、後悔しない選択をするためのヒントになれば幸いです。
結論|公務員を辞めたこと自体は後悔していない
結論からいうと、私は公務員を辞めたこと自体には後悔していません。
都道府県庁に約15年間勤務した後、30代後半で民間企業へ転職しました。転職後は、年収や家族との時間など、私が重視していた部分は改善しました。
一方で、実際に民間で働いてみて初めて、「ここは公務員時代の方がよかった」「これは想定外だった」と感じたこともあります。
公務員時代と転職後を簡単に比較すると、次のとおりです。
| 項目 | 公務員時代 | 転職後 |
| 年収 | 安定 | 20〜30%程度アップ |
| 残業 | 20時以降になる時期もあった | 大幅に減少 |
| 家族との時間 | 確保しにくい時期があった | 増えた |
| 休日出勤 | ほとんどなかった | 月2〜3回ある時期も |
| 通勤 | 本庁勤務が中心 | 最初は片道約2時間 |
| 収入の安定性 | 高い | 業績悪化による賞与減額を経験 |
このように、転職によって改善したことがある一方、失ったものや想定外だったこともあります。
だからこそ、この記事では「公務員を辞めて失敗した」という話ではなく、転職自体には満足している私が、それでも後悔・想定外だと感じたことを実体験ベースで紹介します。
公務員を辞めて後悔・想定外だった5つのこと

当然ですが、民間に転職したからといって、すべてがバラ色になるわけではありません。
公務員時代には当たり前だと思っていた安定性や働く条件も、民間へ転職して初めてメリットだったと気づくことがあります。
ここでは、筆者の私が公務員を辞めて感じた後悔ポイントをお示します。
①労働条件(休日出勤・通勤時間)の落とし穴
休日出勤による週末の拘束
現職では、週末の休日出勤が月に2、3回。
休日の子どもとの時間を削られることに対して、少なからずストレスを感じています。
と言うのも、市町村などの基礎自治体であると選挙や地域活動にかり出されるので休日出勤も多いと思うのですが、都道府県庁で勤務していた私は、公務員時代に休日出勤は数える程しかなかったのです。(若手時代にどうしても仕事が終わらず、土日出勤したくらいでした。)
休日出勤があることは入社前の条件提示の際に把握しており、振替休暇も取れるから仕方ないと割り切った点でした。
しかし、実際には、せっかく保育園が休みで休日が重なる貴重な週末を一緒に過ごせないことがあるというのは、思っていた以上にストレスでした。
片道約2時間の通勤時間
転職直後、最初の勤務地がなんと自宅から片道2時間程。
公務員時代は本庁勤務が長かったこともあり、本部でなく支部に行くことはないであろうと高を括っていたため、完全に盲点でした。
当時はなかなかキツかったですが、通勤中は読書の時間に充てようと前向きに捉えました。
半年後、本部へ移動となったものの、これがずっと続いていたら長時間通勤には耐えられなかったかも知れません。
「土日、祝日に勤務はあるのか?」、「勤務地はどこになるのか?」ということは、事前に必ず確認しておくべきポイントです。
②会社の業績悪化で賞与が減額された
公務員時代は、組織の業績なんてものを意識して働くことはほとんどありませんでした。
税収が増えたり減ったりしたからといって、一喜一憂する公務員なんてほとんどいないでしょう。
一方、現職では、会社の業績が常について回ります。
私が転職してから勤務先の業績が悪化傾向にあり、上層部がピリピリしていることも感じられました。
業績の悪化は、単なる数字の問題ではありません。
実際に賞与が減額されるなど、従業員の収入や生活にも影響します。
公務員から民間企業へ転職して初めて、会社の業績と自分の働き方や収入が密接につながっていることを実感しました。
③公共性から利益重視の働き方にギャップ
公務員時代は、住民サービスや公共性を仕事の目的として意識する機会が多くありました。
一方、民間企業では、事業を継続するために利益を意識する場面が増えます。
私はこの違いに最初は戸惑いました。
「仕事内容にあまりやりがいを感じていない」というのが正直なところです。
ただし、これは想定内でした。
というのも、転職活動で定めていた「転職の軸」として「仕事に対するやりがい」は最優先ではなかったからです。
私にとっては育児と両立できるワークライフバランスを重視していたからです。
そもそも、思い返しても、公務員で2〜3年ごとの異動で関わった様々な仕事のいずれに対してもやりがいを感じていたかというと、そんなこともなかったなと思います。
やりがいを持って取り組めたのは、数えられるくらいの業務でした。
この「仕事へのやりがい」は現職で抱いている課題であり、今後、もしかしたら次への転職、あるいはフリーになる「転職の軸」になりうると感じています。
少なくとも子どもが小さい今は、「自分の仕事は、仕事を終わらせること」をモットーに、効率的に仕事を進め、生産性を高めることを常に意識し、早く帰ることに注力しています。
あなたも、「何を優先するか=転職の軸」を事前に明確にしておくことが、後悔を減らす大切なポイントです。
転職の軸について、詳しくは関連記事「公務員としての働き方に限界を感じたときに考える「転職の軸」」をご覧ください。

④組織風土の違い|年功・上意下達
私が転職した先は、古い企業あるあるで、「年功序列」や「上司は絶対」という文化が色濃く残る職場でした。
公務員時代にも似た部分があり、『民間に転職すれば組織文化も大きく変わる』という期待は外れました。
ただし、これから先もずっと勤めるとは限らないので、淡々としているに限ります。
こうした人たちが、今の職場を支えてきた側面もあるわけで、自分はぽっと転職してきて、いずれいなくなってしまうかもしれない人材なので、とやかく言うこともないかなという心境でいます。
組織風土は、会社ごとのカラーにもよるので、事前の情報収集が肝心です。
面接で感じた雰囲気や口コミなどを通じて、自分が合う文化かどうかを見極めてください。
⑤社会的信用や知名度の低下
公務員の方はなかなか気づかない、忘れがちかもしれませんが、「公務員」という肩書きは、社会的知名度や信頼性において、とにかくバツグンです。
初対面の人に自身の勤め先を紹介するときには、大抵の場合、相手に安心感を持ってもらえ、好印象を与えられていました。
思い返すと、結婚前に妻の両親に挨拶に行った際は、公務員であることで安心感を与えられていたのだと思います。
一方で、転職してからの現職は、公務員に比べたら知名度は高くなく、会社名を出しても相手が知らないケースもよくあります。
ただ、他人からどう思われるか、どう評価されるのかを気にするのは、他人軸での生き方というもの。
「自分がどう生きたいのか」の方が本質的で重要であると考えるようにしています。
肩書きに依存しない職業人生を選ぶ覚悟があれば、このギャップも気にならないでしょう。
それでも公務員から転職してよかったと思う理由
ここまで、公務員を辞めて後悔・想定外だったことを紹介しました。
それでも私は、公務員から転職したこと自体には満足しています。
理由は、転職前に重視していた「家族との時間を増やすこと」「年収を下げないこと」を実現できたからです。実際、転職後は年収が上がり、残業も減って、家族と過ごす時間を確保しやすくなりました。
転職には良い面だけでなく、大変な面もあります。だからこそ、後悔した点だけで判断せず、自分が転職で何を得たのかを総合的に見ることが大切です。
私が公務員から転職してよかったと感じた理由は、「公務員から転職してよかった5つの理由」で詳しく紹介しています。

今の私なら辞める前に確認する3つのこと

実際に公務員から民間へ転職した今振り返ると、退職前に確認しておきたいのは次の3つです。
1.年収だけでなく、賞与・手当・退職金まで比較する
転職先の給与は、提示された年収だけでは判断しません。
基本給、賞与、固定残業代、各種手当、退職金制度まで含めて、公務員時代と比較しておくことが大切です。
私自身、転職後の年収は上がりましたが、会社の業績悪化による賞与減額も経験しました。
公務員時代より収入が変動する可能性も考え、家計への影響まで確認しておくと安心です。
2.勤務地・残業・休日出勤まで具体的に確認する
私は転職後、最初の勤務地が片道約2時間、休日出勤が月2〜3回という働き方を経験しました。
どちらも転職前の確認が十分ではなかった、または実際に経験するまで負担感を想像できなかった部分です。
年収や仕事内容だけでなく、勤務地、転勤の可能性、残業時間、休日出勤、繁忙期など、実際の生活がどう変わるかまで確認しておくことをおすすめします。
3.家族と「譲れない条件」を共有する
30代・40代の転職は、自分だけでなく家族の生活にも影響します。
私の場合は、転職前に「家族との時間を増やす」「年収を下げない」という2つを重視しました。
収入、帰宅時間、休日、勤務地などについて、家族と事前に話し合い、「何なら譲れて、何は譲れないのか」を決めておくと、求人を選びやすくなります。
公務員を辞める前に確認しておきたい制度や家計、転職後に起こり得ることは、「公務員が早期退職した末路は?」でも詳しく解説しています。

後悔しない転職には、転職エージェントに相談するのがおすすめ。
転職エージェントの選び方がわからない人は、関連記事「公務員からの転職にオススメの転職エージェント7選」を合わせてご覧ください。
まとめ
公務員を辞めて後悔する理由は、年収の変化、労働条件、組織文化、社会的信用、仕事への価値観のギャップなど、転職前には見えにくい部分にあります。
特に30代・40代は、家族、住宅ローン、教育費、将来の働き方なども関わってくるため、「今の職場がつらいから辞める」だけで判断すると後悔しやすくなります。
大切なのは、公務員を辞めるかどうかではなく、自分が何を優先して働きたいのかを明確にすることです。
年収を重視するのか、ワークライフバランスを重視するのか、やりがいや自由度を大切にするのか。
転職の軸がはっきりしていれば、多少のギャップがあっても納得して前に進みやすくなります。
家族との時間、年収、残業、勤務地など条件を一人で整理しきれない方は、キャリアコーチングで第三者に相談してみるのも選択肢です。
公務員におすすめのキャリアコーチングをまとめています↓
なお、本記事は公務員から民間への転職で後悔することをまとめました。
公務員から公務員への転職で後悔することを詳しく知りたい方は、「県庁から市役所・市役所から県庁への転職で後悔する理由」をご覧ください。



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