公務員から転職できた8つの手順|転職の流れや進め方を元公務員が解説

公務員からの転職

「このまま今の職場で働き続けて、本当にいいのだろうか?」

「転職したいけれど、何から手をつければいいのか分からない……」

30代、40代の方であれば、公務員としての現状に疑問を抱くことも少なからずあるのではないでしょうか。

本記事では、元公務員の僕が30代後半で転職を決意し、実際に民間企業へ転職するまでの「転職の流れ」をお伝えします。

この記事を読んでわかること

  • 公務員が転職を決断するまでの心の動き
  • 転職活動で実践した具体的な行動手順(自己分析〜職務経歴書〜面接〜退職)
  • 「転職の軸」を見つけるヒント

公務員を辞めたい方の「何から手をつければいいか分からない」、「安定を失うのが怖い」がなくなり、今の我慢している生活から一歩踏み出す勇気が得られるような内容としています。

僕自身が新卒から都道府県庁で約15年公務員として働き、専門性やスキルはないながらも、アラフォーで民間転職を成功させました。

そんな僕の実体験に基づき解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

公務員からの転職活動|転職に向けた8つステップ

公務員の転職活動は、民間企業のそれとは大きく異なります。

なぜなら、「転職のきっかけ」、「スケジュール感」、「職務経歴書の作成方法」、「退職手続き」など、すべてのステップにおいて公務員ならではの事情や制約があるからです。

ここでは、公務員から民間企業へ転職した僕自身の実体験をもとに、転職の流れを8つのステップに分けて解説します。

全体像を把握することで、「何から始めればいいのか」「どの順番で進めるべきか」が明確になり、効率的に行動できるようになります。

1. 公務員から転職を意識し始めた背景

公務員から転職を意識し始めたのは、転職する2、3年前。

思い描いていたキャリアと現実とのギャップを感じ始めたのがきっかけでした。

異動により、それまでと全く異なる業務に就いたのですが、希望する部署への異動希望もなかなか通らず。

自身の意思とは無関係に組織にゆだねられるキャリア形成に対して、年々、疑問を感じるようになっていました。

「定年までこうした息苦しさや窮屈さを感じながら我慢して働くことは、本当に正しいのであろうか?」

そんな思いが頭の片隅をよぎるようになりました。

2. 本気で公務員からの転職を考え始めた理由

異動が叶ったと思ったら、次の職場は正直ひどい環境でした。

上司からは明確なゴールの提示がなく、確認しながら進めようにも判断も指示もない。

年上の同僚からはパワハラまがいの言動や理不尽な業務の押し付け。

議会対応による深夜にまで及ぶ不毛な長時間勤務。

異動に期待していただけに、心が折れたというのが正直なところでした。

「自分のメンタルがやられたら、家族を守れない」

この想いが、転職を本気で考える決め手になりました。

3. 公務員から転職する情報収集と自己分析を開始

新卒から約15年、ずっと同じ組織にいたので、初めての転職活動。

右も左もわからない状況でしたが、まずは転職関連の書籍やネットで情報を集めることからスタートしました。

転職活動の仕方や転職先候補の選定など、公務員から転職する相場感を把握することに努めました。

合わせて自分の「転職の軸」は何なのか、自己分析を通じて深掘りしていきました。

  • 何を変えたいのか(現状の不満)
  • 何を優先したいのか?(希望の働き方)
  • 自分には何ができるのか(強みの棚卸し)

突き詰めていくと、生まれたばかりの子どもを育てることに妻任せにせず、自分もきちんと関わっていくこと、すなわち仕事と育児を両立できる時間的、心理的余裕を確保することでした。

妻とも話し合い、「年収は維持する」という条件のもとで、転職に前向きな合意を得ることができました。

転職の軸自己分析については、以下の関連記事もご覧ください。

👉公務員としての働き方に限界を感じたときに考える「転職の軸」【30代後半〜40代】

👉転職で強みを見出す自己分析|スキルがない30代後半〜40代公務員【実例付】

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4. 転職サイトと転職エージェントの活用

続いて行ったのは、転職エージェントと転職サイトへの登録です。

  • 転職エージェントに登録→キャリアアドバイザーとリモート面談
  • 転職サイトに登録
  • 職務経歴書・履歴書を作成し、転職サイトにアップロード

僕が利用した転職エージェントは「リクルートエージェント」でした。

初回のアドバイスでは、転職はできそうな雰囲気を受けつつ、「職種や年収が希望通りになる保証はない」と現実的な指摘をもらいました。

また、転職サイトは、「リクナビ」、「マイナビ」、「DODA」、「ビズリーチ」といった主要なものを複数登録。

日々様々な企業から求人のメールが入り、世の中には知らない仕事や業界が数多くあると気づくきっかけにもなりました。

転職エージェント転職サイトについては、以下の関連記事もご覧ください。

👉公務員からの転職にオススメの転職エージェント7選【30代・40代向け成功ガイド】

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5. 履歴書・職務経歴書の作成と企業への応募

希望する業界を絞ったところ、転職エージェントではほとんど取り扱いがないとわかり、転職サイト等を活用して、自分で求人を探しました。

希望条件に合う求人を見つけ、企業へ応募を開始。

転職サイトで気になる求人を見つけては、職務経歴書をカスタマイズして応募。

日中仕事をしながらのこの作業は、想像以上に大変でした…。

子どもを寝かしつけたあと、夜中に必死で書類を仕上げていたのを覚えています。

書類作成で意識したのは、「自分がその企業でどう貢献できるか」を明確に伝えること。

形式的な経歴だけではなく、成果やエピソードを絡めてアピールすることを心がけました。

履歴書・職務経歴書の作成には以下の関連記事もご参考にしてください。

👉公務員から転職できる自己PR3つのコツ|例文付きで履歴書・職務経歴書に使える書き方

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6. 民間転職のための面接対策

最初に応募した企業から書類選考通過の連絡が入り、いよいよ面接へ。

面接の対策として、

  • 50問以上の質問リストを作成
  • 面接は緊張したが、「練習のつもり」でリラックスして臨む

その後、他の企業からも書類選考が通過して、面接のスケジュールが追加されていき、転職活動が一気に加速していきました。

なお、応募書類の結果通知から面接までの期間が短く、スケジュールの調整には苦慮しました。

民間企業の面接対策は、こちらの関連記事もご覧ください。

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7. 内定獲得と公務員を辞めることの決断

最初はうまくいっていた書類選考も、徐々に「お祈りメール」が届き始め、気落ちする場面もありました。

それでも最終的には、複数社から内定を得ることができました。

仕事内容・給与・勤務地を比較しながら、エクセルでファイナンシャルプランをシミュレーションし、最も納得できる選択をしました。

ここで、公務員をやめることへの最終決断をすることになるのですが、最大の葛藤が訪れます。

「公務員を辞めて本当によいのであろうか」

「当時、超高倍率の中、合格を勝ち取り、志を持って進んだ職業」

「決まった時には、家族が喜んでくれたこと」

「新卒から自分を育ててくれた職場」

「安定を捨てることになるのではないか」

いろんなことが頭をよぎり、公務員を辞めるつもりで転職活動を始めたものの、いざ覚悟を決めるのは本当に難しかったです。

1〜2週間本当に悩みましたが、「仕事と育児を両立できる働き方がしたい」という転職の軸が最終決断を後押ししてくれました。

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8. 退職手続きと有休消化|転職活動5・6ヶ月目

決断したら、あとは職場に退職の意向を伝えるのみ。

退職の意思を上司に伝え、退職届を提出。

引き留めもありましたが、転職することへのポジティブな決意を伝えることで、理解してもらいました。

丁寧な引継資料を作り、有給休暇を1ヶ月ほど取得して、転職前に余裕を持って退職しました。

円満な退職の進め方について詳しく知りたい方は、こちらの関連記事もご覧ください。

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まとめ|転職の流れを把握して、一歩を踏み出そう

転職は人生の大きなターニングポイントです。

特に公務員として長年働いてきた人にとっては、不安や葛藤も大きいでしょう。

しかし、“転職の流れ”をしっかりと把握し、段階を踏んで行動することで、不安は小さくなり、確実に前に進めます。

僕がたどった転職の流れ8ステップ:

  1. 公務員からの転職を意識する
  2. 本気で公務員からの転職を考える
  3. 公務員からの転職の情報収集と自己分析
  4. 転職サイト・エージェントの活用
  5. 履歴書・職務経歴書の作成
  6. 面接対策
  7. 内定獲得と転職の決断
  8. 退職手続き

少しでもこの記事が、あなたの転職活動の参考になりますように。

以下の記事で、「公務員から転職してよかったこと5選|30代後半から40代でも遅くない!」について、解説しています。

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