【公務員からの転職方法⑤】事例付き!公務員から転職する人に役立つ履歴書・職務経歴書の書き方と注意点

公務員からの転職

「転職を考え始めたけれど、履歴書や職務経歴書って一体何を書けばいいんだろう…」

「履歴書と職務経歴書の違いすら曖昧で、このまま転職活動を始めて大丈夫なのか心配…」

「これまでの経験をどう言い換えれば“強み”になるのか分からない。自己PRも空回りしそうで不安…」

転職活動を始めたばかりの人は、そんな不安を感じてしまいますよね。

特に公務員一筋でやってきた転職初心者の方は、履歴書や職務経歴書の作成は高いハードルに感じることと思います。

民間企業の転職では、履歴書と職務経歴書は選考の第一関門。

特に職務経歴書は、あなたの経験を“民間で評価される強み”に変える重要な書類です。

この記事では、公務員として15年以上勤務した私が、実際に使って評価された履歴書・職務経歴書の書き方と実例を紹介します。

この記事でわかること:

  • 公務員向け履歴書の書き方とポイント
  • 公務員向け職務経歴書の書き方とポイント
  • 職務経歴書の実例

本記事を読み終えるころには、あなたの経歴をどう言語化し、採用担当者に伝えればよいかがはっきりイメージできるようになります。

アラフォーで、かつ、とりたてて専門性のない公務員であった僕でも、狙い通りの転職ができた方法です。

ぜひ参考にしてみてください。

転職に必要な応募書類は履歴書と職務経歴書

転職活動では、以下の書類準備が基本となります。

  • 履歴書
  • 職務経歴書
  • (企業によって)志望理由書、自己PR書、課題レポートなど

履歴書は学歴・職歴などの基本情報を確認するための書類で、
職務経歴書はあなたの業務経験や強みを企業側に伝えるための資料です。

職務経歴書は、応募企業ごとにカスタマイズが必要になります。

この他、企業によっては「志望理由書」や「自己PR書」、「課題」があります。

履歴書と職務経歴書は、企業が指定する書式でなければ、転職サイトや厚生労働省サイト等で容易に手に入りますので、そちらを活用しましょう。

公務員からの転職向け履歴書の書き方とポイント

職歴は「正式名称+簡潔な表現」で記載

公務員経験を記載する際は、「○○市役所 都市計画課」「△△省 ○○局 ○○課」といった正式名称を用いるのが基本です。

在職期間を明確に示し、退職済みなら「一身上の都合により退職」と簡潔に記すのが望ましいでしょう。

業務の成果やスキルは職務経歴書に譲り、履歴書はあくまで“略歴”にとどめます。

本人希望欄は「規定に従います」で統一

履歴書の最後にある本人希望欄には、特に希望がなければ「貴社の規定に従います」と書くのが基本です。

空欄や「特になし」と書くよりも丁寧な印象を与えます。

退職予定日や入社可能時期など、最低限の連絡事項だけを記載するのが望ましいでしょう。

民間の採用担当者は、公務員特有の業務用語に馴染みがない場合があります。

例えば「条例改正の業務調整」なら「法令に基づく規程の整備・関係者との合意形成」、「予算要求・執行」なら「予算策定・コスト管理」といった具合に、民間でも理解できる表現に置き換えることを意識しましょう。

その他の履歴書作成上の注意点

その他、履歴書では、以下のポイントを押さえましょう。

  • 誤字脱字を徹底的にチェック
  • 文字フォントや書式は統一感を持たせる
  • 証明写真はフォトスタジオで撮影したものを使用
  • 資格欄には応募職種に関係するものを厳選して記載

なお、意外とやりがちなのが証明写真を証明写真機で済ませてしまうこと。

フォトスタジオでプロにお願いしたものと明らかにクオリティに差があるので、フォトスタジオで撮影したものを使用するようにしましょう。

私の場合は、転職エージェントのアドバイスで、学歴欄に「高校入学」からの情報を追記し、TOEICスコアには「取得年」も加えました。
細かい点まで見られる書類なので、第三者のチェックを受けるのがおすすめです。。

職務経歴書の書き方と注意点

最も悩みやすいのが「職務経歴書の書き方」です。

履歴書と異なり、職務経歴書には決まった形式がなく、自由に自分の経験やスキルをアピールできます。

しかし自由度が高いからこそ、何を書けばよいのか迷ってしまうことでしょう。

ここでは、公務員ならではの経験を強みに変えるための書き方と注意点をまとめます。

基本はA4サイズ1〜2枚、読みやすい構成とする

職務経歴書はA4サイズで1〜2枚程度にまとめるのが一般的です。

構成は以下の流れを意識すると読み手に伝わりやすくなります。

  • 職務要約:経歴と強みを200〜300字で簡潔にまとめる
  • 職務経歴:配属部署や役割、成果を時系列または逆時系列で整理
  • スキル・資格:民間企業でも活かせるスキルや保有資格を明記
  • 自己PR:応募先企業にどのように貢献できるかを端的に示す

数字や成果を具体的に盛り込む

「担当しました」だけでは伝わりません。

  • 年間〇〇件の申請を処理
  • 〇〇億円規模の予算を担当
  • 相談件数を〇%削減

 といった形で成果を数字で表現することが重要です。

数字は客観的な実績として説得力を高めます。

守秘義務に配慮する

公務員には退職後も守秘義務があります。

具体的な案件名や個人情報は書かずに抽象化して表現しましょう。

規模感や工夫点は書いても問題ありません。

職務経歴書では特に職務要約が重要

職務経歴書は、あなたがどんな業務経験を積んできたかを見られる書類です。

職務経歴書で企業側が注目するのは以下の点です。

  • 業務経験が応募職種とマッチしているか
  • 業務実績に信憑性があるか
  • 自社に貢献できそうな強みがあるか

特に重要なのが職務経歴書の冒頭に記載する「職務要約」です。

冒頭の要約部分で“読ませる”工夫が求められます。

職務要約の書き方

職務要約では、前半にこれまでの職務経歴で最もアピールしたいもの、後半に自分の強みを書くようにします。

前半:これまでの経歴の要点と強み(どんな業務をしてきたか)
後半:応募先企業で活かせるスキルや経験

職務経歴書は応募するどの企業に対しても、そのまま使い回すということはせず、各企業ごとの求められる人材像に合わせて、カスタマイズしてください。

実例を公開|僕の職務要約

参考までに、僕は職務要約をこんな感じで作成していました。

職務要約

●●(←在籍していた所属名称)にて約15年にわたり、●●に対する許認可審査、相談・問合せ対応、●●に係る条例や基準の策定といった●●に関する業務に携わってきました。

庁内関係部署との対内業務だけでなく、民間企業等との対外業務の経験も豊富に培っています。

現在は課長代理として、メンバーのマネジメントや育成も手がけています。

活かせる経験

  • 内外との豊富な調整経験
  • 相手の特性等を踏まえた説明力、説得力
  • 法令への知見(●●法関係規定に基づく指導に●年携わり、●●関係条例の改正業務も経験)
  • 工程管理、タイムマネジメント
  • マネジメントスキル(●●年度より課長代理として部下を指導)

職務経歴書のNG例と改善例

NG例1:履歴書と内容が食い違っている

  • NG:「履歴書では2010年4月入庁と記載しているのに、職務経歴書では2011年4月入庁と書いている」
    → 採用担当者に「基本的な整合性が取れていない」と不信感を与えてしまいます。
  • 改善例:履歴書と職務経歴書は必ず突き合わせて、日付・所属・肩書を統一しましょう。

NG例2:仕事内容を羅列しているだけ

  • NG:「許認可業務を担当」「窓口対応を担当」など、業務内容をただ並べるだけ。
    → これでは“再現性のあるスキル”が伝わりません。
  • 改善例:「年間約200件の許認可申請を審査し、法令遵守率を安定的に維持」「窓口対応件数は月平均300件、待ち時間を20%削減」など、数字や成果を盛り込むと評価がぐっと高まります。

NG例3:専門用語や役所独自の表現が多すぎる

  • NG:「第◯次総合計画に基づく地域振興施策に従事」
    → 民間の採用担当者には意味が伝わらず、スキルの魅力が埋もれてしまいます。
  • 改善例:「地域住民・事業者を対象とした計画策定に参画し、関係者100名以上の意見を調整。新たな施策を実行につなげた」と一般的な言葉に置き換えることで理解されやすくなります。

NG例4:長すぎて読みにくい

  • NG:5枚以上にわたる職務経歴書。
    → 忙しい人事担当者に読んでもらえず、途中で判断される可能性が高いです。
  • 改善例:A4サイズ2枚を基本に、どうしても長くなる場合でも4枚以内に収めましょう。見出しや箇条書きを活用して、視認性を高めることも大切です。

NG例5:応募先に合わせていない

  • NG:どの会社にも同じ内容を送っている。
    → 採用担当者から「志望度が低い」と判断されます。
  • 改善例:応募企業の事業内容や募集職種に関連する経験を、職務要約や実績欄で前面に出しましょう。例えば「都市計画の調整経験」を、不動産デベロッパーや建設コンサル企業向けに強調するなどの工夫が効果的です。

職務経歴書を作ったら添削してもらう|転職エージェントの活用

最初に一人で完璧な職務経歴書を作るのは難しいです。
私は転職エージェントに提出前のチェックをしてもらい、多くの改善点を指摘されました。

例えば:

  • 実績を数値で表す
  • 読みやすさを意識した構成や見出しの改善

自分では気づけない視点を得ることができるので、プロの目を通すことを強くおすすめします。

公務員からの転職にオススメの転職エージェントはこちらにまとめています↓

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まとめ|職務経歴書は“経験”を伝える武器になる

公務員の転職では、「民間経験がないから不利」と思いがちですが、

伝え方を工夫すれば、経験は立派な武器になります。

ぜひ今回のポイントや実例を参考に、あなた自身の経歴を言語化してみてください。

自己PRや志望動機の書き方については、

公務員から転職する人必見!自己PRの書き方と例文|履歴書・職務経歴書で使えるポイント解説」、「例文付き!公務員から転職の志望動機|選考突破できる書き方・伝え方」で詳しくまとめています。併せてご覧ください。

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公務員から民間企業へ転職する際の自己PRの作り方と具体例を解説。履歴書・職務経歴書で活かせる例文や再現性を高めるコツを紹介します。
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