「妻の妊娠がわかり、これから自分もパパになる。」
「でも、育休って本当に取るべき?メリットとデメリットがよくわからない…」
そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
育休のメリット、デメリットをきちんと把握することで、こうした疑問を解消することができます。
本記事では、育休取得によるメリット、デメリットをそれぞれ具体的に解説していきます。
僕自身、これまでに2度育休を取得しました。
1回目は公務員として第一子の誕生時に2ヶ月、2回目は転職後の民間企業で半年間。
そんな僕の実体験に基づいてご紹介します。
「初めての育休、後悔したくない」という方は、ぜひ参考にしてください。
育休のデメリットとは?気をつけたい3つのポイント
育休には良い面ばかりでなく、悩ましい点もあります。
ここでは、僕が実際に感じたデメリットを3つ紹介します。
①収入の減少
育休中は仕事をしていないため、基本的に給与は支払われません。
代わりに育児休業給付金(※)として、育休開始から180日(半年)までは育休開始時の賃金の67%、181日以降1年までは同50%が雇用保険(国)から支払われます。
さらに、通常、給与から15%前後天引きされている社会保険料は育休中免除とされます。
- 育休開始〜180日(半年):賃金の67%
- 181日以降〜1年:賃金の50%
- 社会保険料は免除される
そのため、育休開始後半年までは、実質的には育休前の手取り8割前後が支給されることとなります。
ただし、育児休業給付金には賞与(ボーナス)は含まれず、また支給額に上限(約30万円)もあるので、注意。
育休前に貯蓄を増やしておく、固定費や無駄遣いを見直し、家計費の節約は必要になります。
👉 対策:育休前に家計の見直し・固定費削減・ボーナスをあてにしない生活設計を。
(※)育児休業給付金の内容について、詳しくは厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135090_00001.html)もご覧ください。
②キャリアへの影響・職場復帰の不安
育休を長期間取得することを考える場合、職場の受入体制や自身の能力やモチベーションの低下など、職場復帰がスムーズにできるのか心配になるかもしれません。
また、育休を取るとキャリアに悪影響を及ぼすのではないかと不安に感じる方もいるでしょう。
そうした方は、事前に上司や人事と話し合い、育休後のキャリアプランについて相談しておくと良いです。
なお、僕も能力低下に対しては心配していましたが、思ったよりもすぐに慣れ、元に戻りました。
👉 ポイント:復帰後の業務内容やポジションの相談は、育休前に行っておくのがオススメ。
③社会との隔離感・孤独
育休中は家にこもりがちになり、社会との接点が減ることで孤独感を感じることもあります。
特に男性の場合、育児コミュニティへのアクセスが少なく、孤立しやすいです。
育休中、時には息抜きに友人、知人と会ったり、SNSを通じたパパとの交流をしたりするのがよいです。
パパ、ママで交代して自分の時間を取れるようにして、お互いにリフレッシュする時間を確保できるようにすることが、育児という長期戦を乗り越える上で重要です。
👉 対策:
- SNSやオンラインコミュニティでパパ同士の交流
- 気晴らしの外出や、妻との時間を意識的に確保
育休のメリットとは?僕が得られた4つの価値
続いて育休を取って本当によかったと感じる点を4つ紹介します。
①家族との絆が深まる
育休の最大のメリットは何と言っても家族との時間が十分に取れること。
生まれてきた子の育児を通じて、家族の絆が深まります。
「お父さんが子どもの寝かしつけをしようとしたら、嫌がって寝てくれない」なんてことはありません。
毎日、家族と一緒に過ごすことで、育児を「手伝う」のではなく「当事者として向き合う」感覚が身につきました。
特に世間のパパママにありがちな夫婦関係が悪化しなかったのは大きいと感じます。
👀【補足】女性の愛情曲線というものをご存知でしょうか?
女性の愛情配分は、彼氏・夫たる僕らが結婚直後まではトップです。
しかし妊娠を機に、子どもがその座な取って代わるばかりか、夫への愛情がガクっと下がることに。
出産後に家事育児にコミットしたか否かにより、妻の夫への愛情が回復するか否かが関わってくるのです。
この時期は、パートナーとの信頼関係を築くほぼ唯一のチャンス。
この愛情曲線については、東京ウィメンズプラザが面白いので、興味のある方はご覧ください。
参考:東京ウィメンズプラザ「愛情曲線」
②子どもの成長を目の前で実感できる
子どもは新生時期の成長が著しく、1日ごとに変化を感じられます。
笑った、寝返りした、泣き方が変わった…そうした瞬間に立ち会えるのは、かけがえのない体験です。
我が子の成長を眺めることで幸せを感じられますし、変化を観察することは二度とできない面白い経験でもあります。
死の直前に後悔することに、仕事をがんばり過ぎて、育児に参加しなかったことを挙げる男性は非常に多いようです。
僕自身、育休を通じて、この時期を見逃すなんてもったいないと感じました。
③育児に対する意識が高まる
育休期間で実際に一日中育児を経験することで、子どもとの関わり方に対して、考えが大きく変わります。
育児の大変さをリアルに実感でき、妻の負担への配慮もできるようになります。
この経験は、育休後の働き方にも好影響を与えました。
- 家事・育児を「自分ごと」として捉えるようになる
- 効率よく仕事を切り上げて帰る意識が芽生える
④子どもの健全な成長を支えられる
父親が積極的に関わることで、子どもの情緒安定や社会性向上、自己肯定感の発達に良い影響を与えることが研究でも示されています。
参考:
僕が育休に対して思うこと|育休制度はぜひとも活用してほしい
ここまで、育休のデメリットとメリットを解説してきました。
ここでは、少し異なる角度から育休制度に対する僕の考えを紹介したいと思います。
日本の育休制度は、実は世界トップクラスに手厚く、充実しているのです。
父親の育休を制度上、12ヶ月も取れる国は世界的にも珍しいようです。
UNICEF2021年の報告書によると、先進国の育児保育政策のランキングで、日本の育休制度は1位と評価されています。
しかし、その取得率はご存知のとおり、依然低いままです。
日本の育休制度は、当然ながら最初から存在していたわけではありません。
先人達のたゆまぬ努力により築かれたのです。
そのため、この制度を使わないというのは「もったいない」、さらに言えば先人達に「申し訳ない」気さえします。
個人的には男性も育休を取って、育児に参加するのは当然のことだと思っています。
もし、これまで職場での育休取得者がいなかったとしても、自分が第一人者になる気概を持ってみてはどうでしょうか。
本記事が、育休の取得を迷っている方に、少しでも後押しになれば幸いです。
まとめ
本記事では、「育休のメリット・デメリット」について、実体験を交えて解説しました。
最後にもう一度、育休の要点を整理します。
育休のデメリット
- 収入の減少(ただし育児休業給付金の支給あり)
- キャリア不安(事前相談での対策が有効)
- 孤独感(外との接点を意識的に作る)
育休のメリット
- 家族との絆が深まる
- 子どもの成長を実感できる
- 育児意識が変わる
- 子どもの発達を支えられる
育休は「損得」で判断するのではなく、「どう生きたいか」「どんな父親になりたいか」で考えるべき選択肢です。
僕のように2回育休を取ったことで得られたものは、仕事では決して得られなかったかけがえのない体験でした。
これからパパになるあなたが、後悔のない選択ができることを願っています。
以下の記事も併せてご覧ください。
男性の育休はどれくらい取るべき?平均・最適な期間を2度の取得経験から解説

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