「今の職場で出世もやりがいも見出せないが、転職までしようとは思っていない」
「今の職場で波風立てず、最低限の仕事をこなして、プライベート重視の働き方をしたい」
「でも、どういうスタンスで職場で立ち振る舞えばいいのかわからない」
「こんな風に考えているのは自分だけなのだろうか」
こうした仕事観を持つ人に、ぜひ読んで欲しいオススメの本があります。
現在、各メディアで特集を組まれる話題の「静かな退職という働き方」(海老原嗣生・PHP研究所・2025年)です。
実は今、世界的に注目されている「静かな退職(Quiet Quitting)」という働き方が、まさにこのような価値観にフィットしています。
本記事では、「静かな退職という働き方」に学ぶ「静かな退職」の仕事の仕方や、メリット・デメリットを僕の考えを踏まえて解説していきます。
僕自身、少なくとも現時点では出世に固執せず、仕事は極力定時であがり、2人のこどもの育児を優先する生活を大事にしています。
静かな退職に関心のある人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
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Ⅰ.「静かな退職という働き方」からの学び
①静かな退職とは
“2022年にアメリカのキャリアコーチが発信し始めた「Quiet Quitting」の和訳で、会社を辞めるつもりはないものの、出世を目指してがむしゃらに働きはせず、最低限やるべき業務をやるだけの状態、とされています。”
“彼らは、「働いてはいるけれど、積極的に仕事に意義を見出していない」のだから、退職と同じという意味で、「静かな退職」と名付けた”
“若い世代を中心に、「静かな退職」が着実に浸透し始めたようです。
・言われた仕事はやるが、会社への過剰な奉仕はしたくない。
・社内の面倒くさい付き合いは可能な限り断る。
・上司や顧客の不合理な要望は受け入れない。
・残業は最小限にとどめ、有給休暇もしっかり取る”
「静かな退職(Quiet Quitting)」とは、文字通り会社を辞めるわけではないものの、必要最低限の業務だけをこなし、それ以上の努力や貢献をしない働き方を指します。
いわば、「仕事は仕事」と割り切って、プライベートの時間を重視し、ワークライフバランスを確保しようとする考え方です。
②静かな退職の背景
この概念は2022年にアメリカで注目され始め、日本でも広がりを見せています。
その背景には、以下のような要因が挙げられます。
- ワークライフバランスへの意識の高まり: 仕事のために人生を犠牲にするのではなく、プライベートや自己成長の時間を大切にしたいという価値観が浸透しています。
- ハッスルカルチャーへの疑問: 常に全力で働く「ハッスルカルチャー」や、過度な競争に対する疲弊感から、自分を守ろうとする意識が強まっています。
- 不満の蓄積と諦め: 頑張りが評価されない、給与や昇進に不満がある、業務範囲が曖昧など、企業に対する不満が解消されない結果、「それ以上頑張っても無駄」という諦めの気持ちから、必要最低限の業務に留まる選択をするケースもあります。
- リモートワークの普及: コロナ禍を経てリモートワークが普及したことで、会社との物理的な距離ができたことが、心理的な距離感にもつながっている側面もあります。
③静かな退職を全うするための仕事術
“まず第一に気を付けるのは「身なり」「言葉遣い」「マナー」。”
“負荷が少なく心証点稼ぎをするためには、「反論をしない」という鉄則も心してください。媚を売るのは疲れるし、そもそもそういうことが嫌いな人も多いから、そんなことは端からしなくてかまいません。”
”「自分の業務が増えるような場合」のみ、上手に反論をすること。”
”「本当に効果があるのかどうかわからないけど、やっておくべきだ」というような意味のない常識を全て排除すること。”
“静かな退職者は、静かな毎日を送ることが最大の目標なのだから、ぜひともリスクテイクを優先してください”
“「あるタイプの顧客」「あるタイプの特殊タスク」に通じ、自分の得意としておくのです。これは、所属する部署の中で、自分の存在価値を著しく高めることにつながるだけでなく、自分のペースで仕事をすることができるようになります。”
“副業の芽を作ろう”
静かな退職の仕事の仕方は、上記1つ目〜4つ目のような「省エネに徹する」、5つ目〜7つ目のような「リスクマネジメントを踏まえる」の2つに分類できそうです。
日常の業務では、ムダを省き、不要な業務は極力しない。
一方で、職を失うケースに常に備えるという、リスクマネジメントを図る。
こうした観点からすれば、「静かな退職」は、ワークライフバランスを心掛ける人にとっては、合理的な働き方と言えます。
Ⅱ.「静かな退職」のメリット|得られるの3つの恩恵
①生産性をあげられる
定時で帰宅するよう勤務時間内で業務を終えるということ。
やる必要のない仕事といった無駄を省き、やるべきことに集中すること。
これらは、生産性をあげることにつながります。
②ワークライフバランスを確保できる
定時で仕事を終え、プライベートの時間に充てることで、家庭や育児、趣味など、ワークライフバランスの確保ができるようになります。
③メンタルを安定できる
仕事への過度なストレスや燃え尽き症候群(バーンアウト)を防ぎ、精神的な余裕を持つことができます。
Ⅲ.「静かな退職」のデメリット|気をつけたい3つの落とし穴
①我慢した働き方を続けることになる
静かな退職の実践者には、仕事にやりがいを持たないケースが多いと想定できます。
業務時間中は「やりたくない仕事を我慢しながら嫌々ながらやる」と言えます。
会社という組織の中で、仕事に楽しみを見出せる人もいれば、そうでない人もいます。
賃金の対価として労働時間内は労働力を提供するだけと、ドライに割り切れればそれもよいでしょう。
無味無臭な感じを与える「静かな退職」ですが、得意なことや嫌いではないことといった可能な限り我慢しない、ストレスにならない仕事をして、少しでも仕事から豊かさを享受できることが理想です。
②自己成長の機会損失
静かな退職に徹すると、自主性、積極性、リーダーシップといった能力開発や自己成長の機会を損失する恐れがあると感じます。
いつでも転職できる準備や、副業を通じたマネタイズを通じて、リスクマネジメントはもちろんのこと、本業の仕事外でも自己啓発を意識することが重要。
くれぐれも残りまだ長い仕事人生を、会社にしがみつくという姿勢で望まないことです。
「静かに退職」しつつも、外の世界に目を向ける姿勢は大切に。
③職場での孤立
意欲的に働く同僚との温度差が生じ、人間関係に亀裂が入ったり、孤立を感じたりする可能性があります。
周囲との最低限のコミュニケーション維持は重要です。
まとめ──「静かな退職」は、新しい働き方の一つ
「もう、がむしゃらに働くのはやめたい」
そう感じたとき、「静かな退職」という働き方は、非常に現実的で、かつ自分を大切にする選択肢となります。
「忙しい毎日」から脱却し、いわゆる奉仕滅公な働き方でなく、正しい自分本位な働き方を目指せるとよいですね。
仕事と小さい子どもたちの育児の傍ら、年間100冊程度のビジネス書を読む僕が、あなたにおすすめしたい本を紹介していきます。
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よろしければご覧ください。
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